レインウェアー

「雨の日の釣り師のために」という著名な釣り文学集があります。雨の日は家でのんびり本でも読みましょう・・ということなのでしょうか。
たしかに雨は外に出るのが億劫になるので、釣場も思いのほか空いています。

でも、流れの中の魚たちは少し様子が違います。
養沢では、雨の日は魚の活性が上がってフライに良く反応し、「もういい」というほど釣れることが良くあります。なぜでしょうか。それにはちゃんと理由があります。
まず、ヤマメやニジマスの適水温は11〜13℃と言われています。低水温期は水温が1℃上がると魚の活性は急に上がり、逆に高水温のときは1℃下がると活性は上がります。春の暖かい雨、暑い時期の冷たい雨は水温調整の役目を果たしてくれ、魚にとっては好都合ということになります。
二つ目は、水面を叩く雨粒と木々から落ちる雫は水に酸素を供給してくれます。酸素量が多くなると魚の活性は上がり、活発に餌を食べるようになります。
三つ目は低気圧です。晴天の日は魚が釣れない・・というのは昔から言われていることですが、水面にかかる気圧が魚の活性に影響しているという説があります。養沢は湖や池ほどではありませんが晴天のときよりも曇りや雨の日の方が間違いなく良く釣れます。
さらに雨は木々や水辺の草から陸生昆虫(テレストリアル)を流れに落とします。養沢は自然ではあり得ない量の魚が放流されているので時には餌不足になります。そんなとき雨で落ちたテレストリアルは魚たちにとって待ちこがれていた餌になります。初夏から夏にテレストリアルが飽食されていたときは、ほとんどが雨の直後です。

こんな釣り人にとって好都合な雨を嫌いにならないために、快適な雨具について簡単に説明します。


●レインジャケット



フライフィッシングで着用するレインウェアーはウェーダーと組み合わせる場合が多いので、ジャケットだけというタイプが主流です。
一般的には、ベストの上から着用できるように幅がたっぷり目で、丈はやや短め、頭に被るフードがついています。


湖でウェーディングする際に裾が濡れないショート丈のもの、軽くベストのバックポケットに収納できるものなどいろいろなタイプがあります。右の写真のようにネットを下げるためのDリングがついているものもあります。







●素材と形

●レギュラー丈のレインジャケット
透湿素材(ゴアテックス)のスタンダードなレインジャケット。キャスティング中に袖口から雨が浸透しにくいように袖口はクロロプレーンになっています。
正面左右についている大きなスルーポケットは、ベストの上に着用してもベストのポケットの物が取り出せます。
丈夫なかわりに生地が厚めで嵩張るので、ベストのバックポケットに収納するのは難しく、雨の中釣りに出るときなど着っぱなしの状態に使用しています。風が冷たいときのウインドブレーカー代わりにもなります。

●ショート丈のレインジャケット
ウエストハイウェーダーだと屈んだとき腰が濡れてしまう可能性がありますが、チェストハイならこの丈で十分です。丈が短いので湖のウェーディングでも裾を濡らすことがなく、ウインドブレーカーとしても使えます。
これは生地が薄く小さく畳めるタイプなので、雨が降りそうなとき、止みそうなとき、車から長時間離れて歩くときなどベストのバックポケットに収納できるので重宝します。
正面にスルーポケットがついていますが、ベストの物を取り出すなら短い裾をめくった方が早いようです。





●レインスーツ




レインジケットが上着だけに対して、レインスーツは左の写真のようにジャケットとパンツが組み合わされています。
普段ウェーダーを穿かないニーブーツ派の方はジャケットだけではパンツが濡れてしまうので、レインスーツは便利です。
また既にレインスーツをお持ちの方は、改めて専用のジャケットを買うまでもなくお持ちのレインスーツをご活用ください。(ただし透湿素材でないと少し歩いただけで汗まみれになることを覚悟してください)


レインスーツのジャケット部分は、フライフィッシング用のレインジャケットより幅がやや狭く、丈が長くなっています。
ベストの上からの着用が厳しかったら、レインジャケットの上にベストを着る方法もあります。ベストに撥水スプレーをしておけば小雨程度なら中身が濡れて困ることはないでしょう。



●レインジャケットを購入するなら・・

レインジャケットを購入する際のチェックポイント。

○養沢のように車からすぐに入渓できるところばかりで釣りをするなら、ベストへの収納は考えなくても良いので、耐久性があるしっかりした生地のものが選べます。逆に収納しやすさを最優先すると、しっかりした生地のものより多少耐久性や着心地は劣ります。

○どうせ買うなら透湿素材です。PVCやゴム引き、ナイロン製のものは少し動くと汗だくになるので,釣りには不向きです。多少高価でも透湿素材を。
またフライフィッシングは肘から先を上に向けることが多いので、袖口から雨が染み込みやすくなります。袖口が2重になっているものやクロロプレーン製のものなど、雨が染みにくいものが良いでしょう。

○ネットを背中に掛ける方は、背中にネット用のDリングがあると便利です。Dリングは購入の際見落としがちですが、ベストの上にレインジャケットを着るならぜひDリング付きをお勧めします。

○フロントのスルーポケットの大きさ、構造もチェックポイントです。できることなら実際にベストの上から着用してみて試すのが一番です。

●レインウェアは時々メンテナンスを・・




左は透湿素材用の洗剤と撥水剤です。
レインウェアは使用しているうちに表面の撥水効果が徐々に弱くなり、いかにもずぶ濡れ・・という雰囲気になってきます。
こうなると実際は雨を通していなくても、表面に水分が付着して重くなり、余計にダラ〜っと垂れ下がった感じになってしまいます。
雨の日の釣りを快適にするために、時々透湿素材専用の洗剤で洗って撥水剤での手入れをしてはいかがでしょうか。
洗剤や撥水剤は釣具店、アウトドアショップ、登山用品店などで数種発売されています。